全国伝統歴史 町並み散歩/古い城下町や宿場町、古民家を写真で観光

風情ある重層建築が並ぶ温泉街
山形県「銀山温泉」の町並み

山形県 銀山温泉(その他)

 銀山温泉のなりたち

17世紀、延沢銀山の工夫が銀山川の中に湧いている温泉を発見したのが銀山温泉のはじまりです。銀山は閉山しますが、その後も温泉街として賑わいは残りました。

 銀山温泉へのアクセス

東北中央自動車道東根ICから国道287号、国道13号、国道347号を経由して県道29号、県道168号で銀山温泉まで1時間10分。

 湯の町、歩いて、浸かって

山形県尾花沢市にある銀山温泉は、旅館わずか14軒の山里にある温泉地です。それだけだと全国どこにでもある鄙びた温泉地なのですが、銀山温泉の持つ温泉街の景観こそが、この温泉の知名度を高くしてきました。

温泉街

銀山川を挟んで両岸には大正時代から昭和初期に建築された温泉旅館がひしめくように建ち並んでいます。その建物はどれも三層、四層もの高層で木造のバルコニー建築。外装は漆喰で施された鏝絵(こてえ)の設えが目を引きます。

温泉街を銀山川の下流側からのんびり歩いていきましょう。
温泉街の端にある正楽寺を起点に出発すると、すぐに共同浴場のしろがね湯があります。

しろがね湯

しろがね湯

狭い敷地を有効利用して建てられた斬新な建築デザインの共同浴場。源泉掛け流しの湯で、通年誰でも利用できます

銀山温泉街はわずか200m足らずの奥行きしかありませんが、その間に多くの橋が架けられています。なかでも一番大きな橋である白銀橋、ここからが本格的な温泉街の起点になります。
橋の先には共同の足湯である和楽足湯(わらしゆ)が。

和楽足湯

和楽足湯

銀山川沿いにあり、無料で利用できます。のんびり腰をおろして足を湯につけて景色を眺めるのは乙なモノです

和楽足湯の目の前にある建物は旅館古山閣(こざんかく)。藍と紅の漆喰壁に大正モダンの気品を感じる、築90年以上の木造4階建の宿です。

古山閣

左に向けて大きくカーブを曲がると川向かいに藤屋(ふじや)のモダンな姿が見えてきました。江戸時代から続く老舗旅館で、大正時代に現在の木造三層建築となり、平成18年(2006年)にリニューアルしました。
古い建築物をそのまま活かしながら、現代要素をふんだんに上手く取り入れた建築になっていますが、「ちぐはぐ感が周囲にそぐわない」「以前の建物のせっかくの風情を台無しにした」との評もあります。

藤屋

そのとなりにひっそりとあるのが共同浴場の「かじか湯」。
かじか湯の川向かいにも素敵な建物が。古勢起屋別館(こせきやべっかん)です。両替商として開業し、造り酒屋などを商いとしていましたが、天保年間より宿屋を始め、このころから古勢起屋の屋号を名乗り出します。今は銀山荘の経営により運営されています。

古勢起屋別館

その斜め向かいに建つ旅館永澤平八(りょかんながさわへいはち)もまた重厚な造りの木造3階建て。

旅館永澤平八

隣には銀山温泉を代表する旅館である能登屋旅館が堂々たる姿で鎮座しています。建物は大正14年(1925年)頃建てられたもので、銀山温泉にある旅館の中でも特に象徴的な景観をもっています。木造3階建で上部の塔屋が印象的な外観です。

能登屋旅館
鏝絵

鏝絵

左官職人の後藤市蔵によって昭和7年に制作された鏝絵。 中央には銀山開拓の祖であり、宿の当主である「木戸佐左ェ門」の名が記されています

画像引用:尾花沢市様(http://www.city.obanazawa.yamagata.jp)
銀山温泉組合様(http://www.ginzanonsen.jp/index.html)
古山閣様(http://www.kozankaku.com/)
株式会社商店建築社様(http://www.shotenkenchiku.com)
思いつくまま・近代歴史遺産の旅様(http://kenchiku228.blog85.fc2.com/)
能登屋旅館様(http://www.notoyaryokan.com/)