全国伝統歴史 町並み散歩/古い城下町や宿場町、古民家を写真で観光

非常に多くの古い建物が残る町
城下町在郷町「真壁」の町並み

茨城県 真壁(城下町在郷町)
商家民家

 真壁のなりたち

中世以降、真壁城を中心として形成された城下町でしたが、真壁氏が秋田に移封されたのち廃城となりました。しかしこの後、木綿の栽培で潤った真壁は商人が集い、栄えるようになります。

 真壁へのアクセス

真壁へ向かう公共交通機関はありません。JR水戸線岩瀬駅からタクシーで約20分。
自家用車の場合は北関東自動車道桜川筑西ICから県道41号線経由で約30分

 懐かしの風景そぞろあるき

江戸時代、この地に陣屋が置かれたことにより、陣屋のまわりに家が建ち並ぶようになった真壁。国の登録有形文化財建造物の数は100以上もあり、関東有数の古い町並みが残るエリアです。とはいえ、一か所に固まって建造物が残っているわけではなく、町のいたるところに点在しているため、全体的に統一された町並みという感じではありません。

ただそれだけに、生活感のある普通の町にひっそりと佇む懐かしい家屋があちらこちらに見えるのを辿り歩く風情もなかなかのもの。

真壁の古い民家

しかしながら平成23年(2011年)に発生した東日本大震災により、真壁の町も被害を負うことになってしまいます。被害を受けた家屋の修繕には予算的にも手法的にも時間がかかり、耐震と伝統建築の両立の難しさが如実に表れています。公的資金による歴史的価値のある一般家屋の修復がいかに困難なのかを示す一例です。

真壁の町並み

以前は、と言っても昭和62年(1987年)まで遡りますが、この地にも鉄道がありました。筑波鉄道筑波線という土浦と岩瀬を結ぶ路線ですが、偶然なのか国鉄民営化と同じ日に廃線となります。その後、近隣自治体との連絡はバスがその役目を果たしますが、それもまた廃止となり、真壁を通る公共交通機関はなくなってしまいます。

平澤商事

線路跡はりんりんロードとの名が付いたサイクリングロード(茨城県道501号桜川土浦自転車道線)になっていて、旧真壁駅にはプラットホームだけが残っています。

旧真壁駅

旧真壁駅から上宿通りを西へ進んで市街地の中心へ行きましょう。ところどころ古い建造物が目立ってきます。造り酒屋の村井醸造を過ぎると右手に築100年を超す伊勢屋旅館が見えてきました。

伊勢屋旅館

風情ある駅前旅館といった風情ですが春先の真壁のひなまつりのときには2階のお部屋がお食事処になります。
そのすぐ先には潮田家の立派な佇まい。鶴屋の屋号を持つ呉服商で、明治期には「関東の三越」とまで呼ばれていました。

潮田家

この豪商の建物は真壁の町で初めて国の登録有形文化財に登録されました。明治時代に建てられた店蔵に加えて、袖蔵、脇蔵と別荘が残っています。

右に折れて御陣屋前通りに入ります。木村家、入江家を過ぎて左手には旅籠ふるかわ

旅籠ふるかわ

古民家を改築し、平成20年(2008年)に開業した旅館です。道路に面した部分は二階建になっていますが、奥部分は平屋。その奥には土蔵もあります。
隣には仲町休憩所が続きます。

仲町休憩所

こちらでは、いろりを囲んでちょっと休憩ができちゃいます。

真壁の町並み

このほかにも数多くの古い建物が並んでいますので、ゆるりと見て歩けば数時間はかかりそう。町割りの外れにも趣のある建物はありますので、のんびりと散策を。

大和屋薬局

画像引用:一般社団法人 茨城県観光物産協会様(http://www.ibarakiguide.jp/)、 Katorisi様(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E5%A3%81%E9%A7%85)