全国伝統歴史 町並み散歩/古い城下町や宿場町、古民家を写真で観光

黒漆喰壁がシックな小江戸
城下町・門前町「川越」の町並み

埼玉県 川越(城下町・門前町)
商家民家洋風建築

 川越のなりたち

関東を代表する伝統的な町並み、小江戸として知られる川越は、新河岸川の水運を利用した商業で繁栄した町。元々は太田道灌以来の城下町で、江戸時代には、関東の外れの拠点でした。

 川越へのアクセス

交通量が多く賑わう町のため、自家用車で見て回るより、鉄道でアクセスしたほうが吉。JR、東武川越駅や西武本川越駅から「小江戸巡回バス」で「蔵の街」「喜多院」下車。小江戸巡回バス乗り降りし放題の「一日フリー乗車券」は500円。

 川越のなりたち

寛永16年(1639年)に川越藩主となった老中の松平信綱は十ヵ町四門前町(じっかちょうしもんぜんまち)という川越城下の町割を行いました。さらに城の表玄関として西大手門と南大手門が作られ、西大手門からは川越街道が江戸まで伸びていきます。

川越の景観を代表する蔵造りの町並みは明治26年の大火がきっかけで誕生します。この未曾有の大火災の反省から、建物そのものを防火建築にすることを考えました。

蔵造りの商家

大火の際に焼け残った建物が伝統的な工法による蔵造り建物であったことに着目し、商人たちは競って蔵造り建築による店舗を建てます。この頃、東京では既に耐火建築として、レンガ造りや石積みの近代的な建物が造られていましたが、川越商人たちは伝統的な蔵造り建物を選択しました。

川越の町並み

 蔵造りの町並み

仲町の交差点からつづく「蔵造りの町並み」。今の東京では見ることのできない江戸の面影をとどめています。
重厚な黒漆喰の蔵造りの商家が連続する風景は圧巻ですね。

重厚な黒漆喰
旧第八十五銀行本店

旧第八十五銀行本店

近代金融史のシンボル的な洋風建築で、ネオ・ルネッサンス、サラセン風デザインは、保岡勝也氏による設計。現在も埼玉りそな銀行川越支店として営業中

道中にある「蔵造り資料館」は、商家をそのまま資料館として整備したものです。蔵造りの構造をはじめ、敷地内の各蔵の配置を見学できます。

時の鐘

時の鐘

川越のシンボル的存在。寛永年間に川越城主酒井忠勝が建てたものが最初といわれています。明治26年(1893年)の大火の翌年に再建されました。 3層構造の塔で高さは16m。 現在、1日に4回(6時、正午、15時、18時)蔵造りの町並みに鐘の音を響かせています。「日本の音風景百選」にも選ばれています

 喜多院へ足をのばす

蔵造りの町並から逸れて南東方向へ歩くと喜多院に到着します。
天長7年(830年)に慈覚大師が無量寿寺を開いたのが始まりとされ、永仁4年(1296年)尊海が慈恵大師を勧請して寺を再興、北院・中院・南院となる各房が建てられました。

喜多院多宝塔

高さ13mの多宝塔は、本瓦葺、下層は方形、上層は円形、その上に宝形造の屋根が載ります。江戸時代初期の多宝塔の特徴がよく表れています。
また院内の客殿には、3代将軍徳川家光がここで生まれた「徳川家光公 誕生の間」や、春日局が使用した「春日局化粧の間」などがあります。

五百羅漢

五百羅漢

日本三大羅漢の一つ。全部で538体が鎮座しています。深夜こっそり羅漢の頭をなでると、一つだけ必ず温かいものがあり、それは亡くなった親の顔に似ているとの言い伝えがあります

画像引用:川越市様(http://www.city.kawagoe.saitama.jp)