伊根のなりたち
明治時代、集落に道路を敷いた際に、海側に舟置き場や蔵などを集積させたのが現在の特長ある伊根の町並みのはじまりとされています。230軒ほど並ぶ舟屋のほとんどは明治中期から昭和初期に建てられたものです。
伊根へのアクセス
鉄道が敷設されていない地区のため、車でのアクセスが便利。京都縦貫自動車道与謝天橋立ICから国道176号、国道178号経由で約45分。現地ではレンタサイクルと遊覧船で見て周るのがおすすめ
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舟屋の町並みを眺める
国道178号沿いにある伊根町役場から経ヶ岬方面へ走り、最初のトンネルを抜けて左折すれば道の駅舟屋の里伊根に到着します。敷地内には伊根町観光協会があり、ここでレンタサイクルを借りることができます。
道の駅は伊根湾を見下ろす高台にあるので、ここから坂を快適に下っていきましょう。そのかわり帰りは上り坂ですが。
高台から見れば伊根湾に丸や四角のものが浮いています。丸いものは生簀の筏、四角いものは釣り堀の筏です。
こちら、伊根の海沿いの集落の典型ともいえる舟屋(ふなや)は山が迫る海岸沿いの狭いスペースを最大限有効に使った独特の建築です。海側から見れば、1階部分がぽっかりと空いています。
このスペースは漁のための舟の倉庫、いわばガレージなのです。もちろん1階部分の全部が海というわけではなく、舟を乾燥させたり、漁具を置いたりするスペースもしっかりあります。そして2階部分が住居になっています。
とはいえ、今では舟も大型化しているので、1階のスペースに係留するには狭すぎて、外に繋いでいることが多いようです。
海すれすれのところに建てられた舟屋群。まさに海にいちばん近い町です。2階を宿にしている舟屋もあり「オーシャンビューどころか、手が届きそうな所に海」という環境を寝泊まりして味わうことができます。
漁村では全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けた伊根ですが、観光地というよりも普段の生活が息づく漁村といった雰囲気。
映画「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」(昭和57年)や「釣りバカ日誌5」(平成4年)、NHK朝の連続テレビ小説「ええにょぼ」(平成5年)などで何度もロケ地になっていますが、そのほとんどが民有地ですので、勝手に立ち入ったり騒いだりするのは厳禁です。一般向けに公開している場所のみ見学するようにしましょう。
耳鼻(にび)地区を見終わったら、踵を返して対岸の高梨地区へと廻り込みましょう。さらに日出まで行けば伊根湾めぐり遊覧船のりばがあります。大人680円、子供340円、約25分間の船上散歩を楽しみましょう。やはり舟屋は海上から眺めたいものです。
伊根湾めぐり遊覧船
湾を取り囲むようにして建つ舟屋を海上から眺めるのは、陸地からではなかなか味わえない舟屋の風景と趣があります。また、船に群がるカモメにエサをあげるのも、伊根湾めぐりの醍醐味のひとつ
遊覧船でのんびりしたら、再度自転車に跨って、来た道を戻ります。途中の西平田地区の創業250年を誇る向井酒造でお酒の試飲なども楽しみつつ、道の駅へ帰りましょう。
あかちゃびん(羊羹風)
向井酒造では日本酒のほかに、酒粕スイーツにも注目。酒粕と砂糖、寒天で作られたお菓子「あかちゃびん」。羊羹のようにも見えますが、小豆は使ってないのだそう。あかちゃびんのマフィンやロールケーキもありますよ
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